立方体のような家は造らない
箱のような形の家が多く建っています。
他社で家づくりを考えても、選んでほしくありません。
〇〇キューブや、△△BOXというような名前のシンプルで無駄のないデザインで、箱のような家が多いです。
もし、家造りを考えてある場合、絶対にやめて欲しいです。
売る側のメリットとして、構造となる骨組みが小さく出来ます。
使う金物も少なく出来ます。材料も小さく出来て、工事も少なく済むので、コストも抑えられ、安く提供出来ます。しかし、残念ながら、住まい手には何もメリットはありません。
軒(のき)と言われてもピンとこないかもしれませんが、この屋根がはみ出てる軒の出は、家の快適性や寿命を大きく左右します。
住む側のデメリット
①夏はサウナのように暑い
屋根裏が少ないので、金属の屋根に直射日光が当たります。80度を超えた屋根材を逃がす処がないので、いくら断熱材が入っていても二階はサウナのようになります。エアコンをつけても入ってくる熱のほうが多いので涼しくなりません
②夏の日射が暑い
夏は、太陽が高く上がるので、一日の日照時間が長くなります。軒のない家は、夏場は遮るものがないので、暑くなりやすいです。窓を高性能な窓を使っても、完全に防ぐ事は出来ず、部屋の中が熱くこもります。一方、軒の出が大きいと夏の日射を遮り、冬の日射を最大限取り入れる、太陽の動きにそった住まいになります。
③雨音がうるさい
太鼓を叩くと響きますよね。両面に皮を貼った太鼓が響くの事を共振現象といいます。身近なとろこでは、マンションや賃貸住宅などで、下の人が上の人の足音や生活音がうるさく感じたり。
箱のような屋根面から天井までが近く、金属屋根だと、雨音がより響きます。普段の雨ではそこまで気にならなくても、大雨のときなど、雨音がうるさくて眠れなくなったりします。
④雨漏りのリスクが通常の5倍高い!
軒のない家は、雨漏りのリスクが高いです。建築して10年で雨漏りしたりします。業界でも度たび取り上げられ、問題になってます。
特に福岡(南)・佐賀は全国平均より降水量が100mm多く、梅雨時期、8月は大雨や豪雨に見舞われやすいので、軒のない家は注意が必要です。
仏教の伝来とともに寺院を造る文化が入って来て、1300年前に法隆寺が建立されました。中国のお寺は、軒の出があっても、小さいのですが、法隆寺は軒が深いです。
飛鳥時代の工人は、梅雨などの大量の雨が降る、日本には軒の深い建物が必要と考え、日本に向いた寺院を造ったのです。 軒がないと早く傷んでしまうという事は、今から1300年前の技術者が、気づいた事です。寺院と住宅は違うと考える方はいるかと思います。プロも素人も、外壁の傷み具合は、建築材料で決まると思っている人が多いです。もちろん使う材料も重要ですが、家の寿命を延ばす一番は軒が出ているかです。
軒(のき)なし・庇(ひさし)なしの家は、材料が劣化したら、必ず雨漏りします。どの面から雨漏りするでしょうか?
正解は
南面→西面→東面→北面から雨漏りします。
軒なしの家は、四方全てが同じ状態です。南面で漏れたら、西も東も北も同じ条件という事になります。
直射日光が直撃する南面は、壁と壁、壁と窓をつなぐシーリング材にとって、条件が、悪く漏水します。
その次に条件の悪い面が雨漏りする可能性があります。