アレルギーの天敵。ダニ対策

 日本人の3人に一人は何らかのアレルギーを持っていて、4人に1人がダニアレルギーを持っているそうです。

 最近の家というのは、一年を通じて、ダニの繁殖しやすい環境になっています。
ダニのいない暮らしを実現するには、ダニが生きている条件をなくすことです。

ダニの好きな環境
●エサ
 ダニもエサがないと生きていけません。人のフケやアカ、食べかす、髪の毛、ホコリ、カビ

●温度
 25度前後の高い温度を好みます。20度以下になると動きは弱くなりますが、じっとしているだけです。ダニが死滅する温度は、-10度なので、よほどの北国でないと難しいです。

●湿度
湿度60%以上がダニの好きな条件です。ダニは少々低めの温度でも、じっとしているだけで生きていられますが、湿度は低いと乾燥して干からびて死んでしまうのです。
ただ乾燥する冬でも、部屋の中の布団やコタツなどの高温多湿な場所があれば、増えます。

 梅雨が始まる気温が25度から、湿度が65%以上になる6月から9月にかけて、ダニの大繁殖の最適なシーズンになります。10組のつがいのダニは、2か月後には、3000匹以上、4か月後には約4万5000匹以上にも繁殖します。この時期は、徹底的に、除湿を行うことが、ダニの大発生を防ぎます。
 
 また、ダニは洗濯しても死にません。洗剤入りの水の中に一週間いても、死にません。ただ、卵は別です。卵から一週間でダニはかえります。
卵は洗濯して、洗い流せます。
理想は3日に一度ですが、最低でも一週間に一度、寝具を洗えば、その間に産まれた卵は洗い落とせます。

 部屋干しをしている部屋と、していない部屋では、洗濯物を干している部屋のダニは2倍以上多いです。
梅雨や雨の日に、洗濯物をどこで干していますか。
一番してはいけないのは、カーテンレールに洗濯物をかけること。カーテンにもカビが生えます。クロスや窓枠にカビが生える可能性があります。
干す場所を選ぶなら、浴室がベストです。浴室は濡れてもいいように、もともと作っていますから、洗濯物から、ダニが増えることもありません。

 ダニに対して重要なのはホコリをためないこと。
ホコリ1gに対して約1200~2300匹のダニがいます。室内のホコリだけで、こんなにたくさんのダニがいるのですから、ソファーやベッドは更に多くのダニが潜んでいます。

ダニは、フケやアカ人間の食べかす、ダニの死骸を食べて繁殖します。
裏を返せば、掃除をしてエサを減らせば、繁殖を減らすことが出来ます。ホコリの成分は、繊維(綿ぼこり)、土砂、食物、毛髪、紙片からできています。
何か特別なことをするから出るのではなく、普通に生活するだけで発生します。
ホコリの半分以上は衣類の繊維です。繊維が主成分でフワフワ舞っています。
中には壁や窓などの垂直なとこに張り付き、それが床に落下して他のホコリと一緒になり、人の動きなどのない部屋の隅へ大きな塊になっていきます。
空気中のホコリは、冷蔵庫の上、TV、洗濯機などの家電製品の静電気に誘われます。空気中の小さなホコリには空気清浄機が有効です。

 また、これから家づくりを考える方には、快適に掃除しやすい造りにすることが重要です。
 凹凸の少ない掃除のしやすい間取りや動線に無駄がないような間取りにすること。フロアー内での段差が少ないこと。

扉は、開き戸ではなく、掃除がしやすい引き戸が便利です。また、本棚や収納には、ホコリがつかないように、極力扉をつけること。

使う素材ですが、建具やフローリングは、工場で生産されたビニールを貼ったものは、静電気で帯電しホコリを呼び寄せます。ホコリはダニのエサなので、建具も完全に木製のもの、フローリングも無垢のフローリングといったホコリが付きにくい素材を選ぶこと。
畳などは、セキスイのミグサや、ダイケンの和紙畳などがダニやカビ予防に効果的です。

掃除のしやすさまで考慮した家に住むと、ダニによるアレルギーや喘息の心配もなく、ストレスなく快適に暮らせますよ。

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